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タイトル名 |
キスへのプレリュード |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2012-01-27 10:20:01 |
変更日時 |
2012-01-27 10:20:01 |
レビュー内容 |
魂が男女の間で移動するってのは、日本でも『転校生』があったが、これは性別よりも歳の問題(でも相手がお婆さんだった場合を考えると、やはり違いはあるわな)。冒頭は壁を伝わって伸びていく蔦を追ってボールドウィン君へ、その眼鏡に映る時計台、と御伽噺的な雰囲気を与え、また時がテーマであることも確認する。ストーリーが動き出すまでの、結婚式の部分までのほうが演出は生き生きしてた。パッと老人のほうに話が変わって結婚式場へあわててくるあたりはワクワク。結婚式の誓いの言葉も「時」を含んでいる。「どんなに年取って、歯が黄色くなっても愛してくれる?」ってモチーフ。で魂が入れ替わる。新婚旅行で妻に何か未知のものを感じること。この場合、「相手」を未知のものを持っている妻に見るのか、未知の姿に変えられた魂に見るのか、ここらへんの不安定感。細かいところでは「アゲイン」を口ずさむとか。日記によって、妻になりきったふりをするとこで、見抜いてしまうボールドウィン君。泣き濡れていたバーでの魂のリタとの再会。ここらへんグッとくる。ボールドウィン君は、こういうヤサ男やると悪くない。老人が若さを憧れたっていうだけじゃなく、リタも一瞬、もう選択する不安のない老いの安定を望んだってとこが面白い。ヒロインはニヒリズムに、老人はガンに冒されていたわけで。 |
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