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タイトル名 |
どん底(1936) |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2012-10-26 10:04:26 |
変更日時 |
2012-10-26 10:04:26 |
レビュー内容 |
普通なら理解し合えないはずの者たちが・理解し合えっこないはずと信じ込まされていた者たちが、コロッと意気投合してしまう。会った瞬間に友だちになれてしまう。なんという人生肯定。この作品で一番印象深いのは男爵だろう。「身を落とした」などという意識は微塵もない。草原に寝転がる自由を心の底から満喫し、自分の選択を全然後悔していない。理想主義的すぎるとも思えるけど、でもいい。フランス映画でよく感じる「のんき」の尊重。けっきょく今まで自分は衣装を替えていただけだ、という述懐もあった。自殺してしまう役者とペペルの対比もある。遠い夢の病院と、現実の地道な生活への一歩の違いということか。マドンナが役人に口説かれてしまいそうになるときの陽の光の美しさは、親父譲りだな。というわけで黒澤版の暗~い『どん底』とはずいぶん印象が違うが、本家ロシア人が見るとそれぞれどんな感想を持つのか、ちょっと興味がある。 |
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