|
タイトル名 |
商船テナシチー |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2012-10-19 09:55:44 |
変更日時 |
2012-10-19 09:55:44 |
レビュー内容 |
なんか山本周五郎の世界よ。人間が描けている、ってこういうのを言うんだろう。お調子者だが現在をいとおしむ男と、いつも自分で決められない男、そしてドキッとするような恋する女の残酷。「彼女笑ってたか」って手紙を託された男に尋ねるんだよなあ。まだ踏ん切りがついてない、っていうか、風景に別れたくないっていうか、つまり後ろ髪を引かれる思い。夢と今いる場所と。人生は厳しい。すべてのエピソードが厳粛な出発につながっていく。それは友情の限界であり、本当の人生の始まりであり、故郷を捨てることであり、記憶の一つの段落であり…。デュヴィヴィエって、情感過剰気味でクレールやルノワールより一段低く見がちなところがあるけど、やはり名を残す人だけのことはありますな。キモのところで日本人の好みとうまく重なっているのか。 |
|
なんのかんの さんの 最近のクチコミ・感想
商船テナシチーのレビュー一覧を見る
|