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タイトル名 |
ラヂオの時間 |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2012-06-26 10:29:18 |
変更日時 |
2012-06-26 10:29:18 |
レビュー内容 |
この人の基本モチーフは「その場しのぎ」を重ねてひたすら横滑りし、とんでもない地平にまで至ってしまう面白さ。リツ子をメアリー・ジェーンへと駒を一つ移動しただけで、次々と横滑りが起こり、海のないシカゴへ、ダムの決壊へ、漁師がパイロットへ、さらに宇宙飛行士へと、どんどん非日常へ拡散していく。芸術と仕事との関係とか、芸術者の署名の責任とか、副次的なテーマもあるけど、この拡散の勢いこそが本作の眼目。拡散に手を貸していく面々のキャスティングが楽しく、三谷組の役者と芸能界からの起用とのアンサンブルが見事。ただただ事態を面白がっているような井上順なんかが、すごくいいのよね。そういう芯まで「芸能界の人」と、「車のセールス」やってる実直な旦那・近藤芳正(疑惑に囚われている彼を横移動で捉えるとこが傑作)と、まったく地平の違う人たちがここに集められて、ドラマをこね上げていく祭のような楽しさ。いかにもこういうところにうろちょろしてそうな業界の便利屋・モロ師岡も忘れてはならない。世界が閉じてしまうのを壊そうとトラックの運ちゃんを登場させた意図は分かるが、なんか蛇足の印象。こういうコメディは閉じてていいんじゃないか。外の目としては我々観客がいるんだから。 |
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