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タイトル名 |
居酒屋ゆうれい |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2010-03-13 11:58:53 |
変更日時 |
2010-03-13 11:58:53 |
レビュー内容 |
京浜急行沿線って、なにかいい意味での場末的な雰囲気を残している。消えていく幽霊はなぜ哀れなのか。幽霊ってのがそもそも、死別を自己完結できないとこから来ているわけで、それを何とか納得させたいときに、哀れに消えていく幽霊が必要になってくるのだろう。生き残ったものの後ろめたさ、ってことが底にありそう。舞台が場末ってことがしっくりくるのだ。死別と生別の二人、死別のほうが優しく、生別のほうが冷たい。女同士のほうがなにやら仲良くなっていってしまう。あの世とこの世のけじめが曖昧になる。のりうつったりもする。男にとって、妻も死者も同じものなのだ。演出はあまり奇をてらわないのがよく、鏡の中に座って映る室井滋、時計の振り子越しに夫婦を眺め下ろしたり、転がるビー玉など。トルコの軍楽隊みたいのも聞こえるが、島倉千代子の「愛のさざなみ」が場末感充溢していて嬉しい。くりかえす~、くりかえす~、さざなみ~の、ように~。 |
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