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タイトル名 |
2ペンスの希望 |
レビュワー |
なんのかんのさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2011-07-21 10:08:43 |
変更日時 |
2011-07-21 10:08:43 |
レビュー内容 |
イタリア映画はこうでなくちゃいけない。叫ぶ・どなる・ののしる・手を広げて近所に吹聴してまわる・すぐぶつ・前屈みになって走り回る。オペラの発声は、あれはリアリズムだったのかもしれないと思わせるほど、全編声を張り上げている。この元気のよさが身上。崖の上の百姓女とのののしり合いのところなんか、別に気が利いたセリフだからと言うわけでもなく笑ってしまう。ほれぼれと「アリア」に聞き入ってしまう感じ。爽快。この元気のよさにすべてを託していこう、って。「神さまが人間をお作りになった以上、なんとか食っていけるんだ」ってね。楽天的過ぎるかもしれないけど、そういう気持ちを奮い立たせたかった時期なんだろうということは、同じ敗戦国としてよく分かる。いろいろな職業変遷、坂を三台ぐらい馬車を押し上げていく勢いのよさ。そして馬車は時代遅れだと、新品同様(!)のバスを共同で買い、これが走り抜けていくシーンのなんとも陽気なこと。ここらへんのドタバタはフェリーニを思わせ、家同士が喧嘩したあと両家の母親が懺悔しているあたりはパゾリーニの寓話を思わせ、全体の民話的語り口にはタヴィアーニを連想させ、イタリアの監督ってみなネオレアレズモから生まれた兄弟なんですね。映画館のフィルム配達。「おい、なんで女が殺されたのか分からんと客が騒いでるぞ」。いつも太陽が照りつけているような陽気さに、ずっとひたっていたくなる映画。 |
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