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ディセント - シネマブルクさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ディセント
レビュワー シネマブルクさん
点数 9点
投稿日時 2010-03-24 12:40:50
変更日時 2010-07-10 14:23:29
レビュー内容
続編がリリースされたため再鑑賞。改めて傑作であったと実感しました。

冒頭の川下りのシーン。まるでこれから起きる悲惨な出来事を占うかのような激流。主人公サラの夫ポールとジュノの親密な関係をやんわり匂わしている。

このジュノという登場人物、勝手に探検する予定の洞窟を独断で変更するなど
自己中心的だが、実はかなりナイーブでポジティブになろうとしていたんではないだろうか?あの交通事故後にサラの前に姿を見せなかったのも単なる事故の後遺症だけでなく、ポールという愛人を亡くした悲しみや親友のサラを裏切っていたということから。
ジュノ本人も自分自身強く生きたい、そして、皆と絆を深めたい、仲良くなりたいという思いで今回の冒険を提案したともいったのも嘘ではないだろう。洞窟内ではぐれてしまったサラを必死で探すことからも伺える。キモかわいい地底人との争いの最中、背後からすぅーと近づかれたら、ありゃ化け物だと思う。不可抗力の事故。しかしジュノは恐怖のあまり逃げ出してしまう。
洞窟内で再会したサラとジュノ。これまでのジュノとサラの立場が入れ替わったかのようにサラがたくましい。最後の死闘でも鬼のような形相だった。ちょっぴり可愛そうな結末を迎えるジュノの断末魔が木霊するシーンはゾッとした。
最後、脱出したつもりでいたのは単なるサラの妄想で、到底脱出できないだろうあの断崖絶壁にいる超絶望的な描写は、かの名作「CUBE」のパクりではあるが、続編ではどうやら脱出したところから始まるらしいね(笑)まぁ賛否両論あるでしょう。

この作品を手掛けたニール・マーシャルという監督はすごく職人肌のようで随所に拘りが見られる。ホラー映画としてはずせないエッセンスはしっかりと入っているし、何よりあの暗闇、閉塞感、息遣いに至るまで洞窟内の臨場感がハンパではない。あの「エイリアン」での通気口内を思わせる。またサラが沼地?か何かの池に落ちて、ぬっと顔を出すシーンがあるが、あれは「地獄の黙示録」や「フェノミナ」等を連想させた。
この作品はすごくお勧め、音響環境が充実しているなら面白さ倍増、真っ暗なら3倍増です(笑)。
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