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タイトル名 |
吸血鬼ノスフェラトゥ(1922) |
レビュワー |
ゴシックヘッドさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2008-01-22 00:17:11 |
変更日時 |
2008-01-22 00:24:56 |
レビュー内容 |
素晴らしいです。 冒頭から、暗鬱で重苦しい空気が漂っている。そして白黒のコントラストが美しい。 セリフがなんだかナルティシズムで、美しい余韻を残す。 大胆な身振りや表情が良い。狂気が伝わってくるようだ。 たとえば、本を投げつけるときの大胆な動きは美しいと思う。 食事を待っている時に、「早く食事を!」と激しく机を叩くが、その激しい動きにも何か歪んだ狂気が宿っているように思えて印象に残る。 表情にしても、レンフィールドの笑顔は凄まじいほど(あの人おかしいんです!)。ジョナサンは主人公であるがそのジョナサンの笑顔にでさえ狂気が宿っているように感じてしまう。 そして奥さんの背が高くて無表情な存在感も独特。 音楽もどこか欝で静かな感じで素晴らしく、居心地の良さを感じる(サイレント映画の音楽は基本的に良いです)。 怪物は鼻がワシ鼻で指が長くてノッポでとても人間離れしていて、 なんだかとてもシュールだ(そして不気味!)。 不吉な存在感でもあるが、メルヘンチックなグリム童話に出てきそうな妖精のような存在にも思えた(悪い妖精ですよ)。 なんだか森が深くて山が高い、その深い森林には神秘的なものを感じる。 僕は森を神秘的なものだと思っているから森がでてくる作品は好きなのです。 この作品には森に深い陰が存在しているように感じた。 その森に生息する「狼」がとても不気味に映されている。 病魔が町を埋め尽くし、太鼓叩きがそれを警告をする場面がとてもシュールです。 多分、この作品にはまともなものなんて一つも無いんです。 |
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