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鞄を持った女 - にじばぶさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 鞄を持った女
レビュワー にじばぶさん
点数 7点
投稿日時 2007-09-02 11:28:08
変更日時 2021-05-31 15:41:00
レビュー内容
イタリアのこの時代の作品は大好きなので、一つでも多く観ておきたいところだが、中でもこのヴァレリオ・ズルリーニの代表作の一つともいえる『鞄を持った女』は絶対に観てみたかった作品の一つだった。

主演は、“C・C”ことクラウディア・カルディナーレ。

ヴィスコンティ作品で一度観たことのある大女優さんだけど、彼女の代表作といわれるものを観るのは、これが初めて。


そして、監督のヴァレリオ・ズルリーニだが、彼の作品を観るのは『家族日誌』に次いで2作品目。

『家族日誌』はイマイチだっただけに、本作には大きな期待をしていなかったけど、その期待をいい意味で裏切って、十二分に楽しむことができた。


これをきっかけにして、ズルリーニにハマりそうな予感。

なんともいえない、文学的でもの悲しい雰囲気の作品を創る素晴らしい監督だなぁ、と今回見直したわけだ。


ジャック・ペラン演じる16歳の青い青年と、カルディナーレ演じる豊満な大人の女性との、淡くも切ないラブ・ストーリー。

ラブ・ストーリーとはいっても、少年の片想い的な状況なのだが、これが内気な少年の立場から丁寧に描かれており、なかなか引き込まれる。


どうみても不釣合いな二人。

不釣合いどころか、恋が成就する状態になり得ないくらいのギャップがある。

自分も過去に背伸びして、「じゃあ仮に付き合ったとしてどうなるの?」的な女性にゾッコン(笑)だった時代があるだけに、観ていてどうしようもなく辛かった。

逆に、口がうまくて社交的な男や、女性の立場から観たら、どれだけ少年に感情移入できるだろうか。

そういう意味では、観る人を選ぶ作品。


そして、口ベタなクセに何故か、快活で大人な女性に恋をしてしまいがちな男性諸氏には、必ずやハマれる作品ではないだろうか。

ハマり過ぎて、過去の辛い想い出に涙しないように要注意。
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