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タイトル名 |
ゴダールの決別 |
レビュワー |
にじばぶさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2007-09-01 21:24:37 |
変更日時 |
2016-04-01 00:58:57 |
レビュー内容 |
DVD裏面の解説には、「ゴダール映画史上、最難解作品!」と書いてある。 その為、“ゴダールと決別するのに相応しい作品”と心の中に決めていた。
この作品を観てとことんゴダールを嫌いになり、きっぱりさっぱりゴダールを忘れてやろう!という寸法だ。
そうは言っても、かなりの数のゴダール作品を観てきた私である。 難解な晩年のゴダール映画には慣れてきたつもりだ。
「どんだけ難解なんだろう」と、逆に期待をしながら、いざDVDの再生ボタンを押したのだった・・・
さて始まった。
いつもの“晩年のゴダール作品調”全開だった。 具体的には、
・唐突に挿入される画面いっぱいの文字(黒地に白い文字)。 ・いきなり流れるクラシックなBGM。 ・登場人物とは無関係に挿入される、気色の悪い音声(ガラガラ声)。 ・やたらに綺麗な森の風景。 ・海の風景。 ・意味なく乱暴な動きや振る舞いをする登場人物。 ・いきなり裸になる女性達。 ・哲学的な言葉のむやみな引用。
などなどだ。 (ただし、今回は「鳥の鳴き声」みたいなのは無かった。)
しかし本作には、今までとは明らかに“違う”ことがあった。 それは、“あまりの難解さ”加減だ。
いやいや、これはいよいよ全くもって訳が分からんぞ。 さすがに焦ったね。
その他の晩年のゴダール作品は、難解な部分やセリフ回しがあっても、全体の中の一部分でしかなかった。 それがこの作品においては、全てがそんな感じなのである。
よくもまあ、こんだけ訳の分からんシーンを84分も“数珠つなぎ”にできたもんだ。 呆れるを通りこして、感心するばかりである。
ただし、この作品、ただ難解なだけではない。 とにかく映像が美しいのだ。
他のゴダール作品と比べても、圧倒的に素晴らしい。 ゴダール作品の中で“最も美しい作品”だと私は感じた。
映画レビューサイトでも誰かが書いていたが、「字幕なし」で観たら最高だろう。 まあ、かと言って、それを実践するほどの魅力を感じた訳ではないが。
さて、かくして私は、この作品にて“ゴダールとの決別”を果たしましたとさ。
だって、84分という短い尺なのに、観るのに「映画3本分のエネルギー」を使ったからね。
もういいよ、ゴダールは。 さようなら、愛すべきゴダール。 |
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