|
タイトル名 |
おとうと(1960) |
レビュワー |
にじばぶさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2009-01-07 21:50:26 |
変更日時 |
2009-01-07 21:53:23 |
レビュー内容 |
本来、人が死んでいく話を主体にした作品は好きではないのだが、本作については例外的に心を打たれた。
人は日々の生活の中で何かに追われ、良心を持っていながらもそれを外に出せない状況に置かれることがしばしばある。
仕事にしてもそうだ。 仕事に忙殺されたり、人間関係の煩雑さにより、いがみあったりしてしまう。
しかし、人はそれぞれ心の奥底に良心というものを必ず持っており、それらは極限の状況、本作で言えば誰かが死に直面するという状況の中で、それぞれが心の奥底に持っていた良心というものが、なんのつかえもなくすんなり出てくる。 そういった状況でこそ、心を打ち明けあい、互いを理解することができるようになるのだ。
本作はそういう意味で、単に死の悲劇を嘆いただけの作品ではなく、人間の奥底に眠る良心というものを、鋭くえぐり出し描写することによって、人間の本質を表現している。 そこに私は心を打たれた。
そう考えると、そういった極限の状況に置かれる前に、人は相手に対して理解する気持ちを持ち、寛容な気持ちで持って相手に接すること、それが何より重要であると感じる。 相手のことを理解し、お互いを信頼できる関係を築き上げる為には、日頃からそういった他人への接し方を心がけることが何より大事である。 憎まれ口ばかりたたいている人がいても、その人間がどんな悩みを抱えているのか。 どうしたらそれを理解し、お互いの信頼関係を築けるか。 本作を観て、これらについてとても考えさせられた。 |
|
にじばぶ さんの 最近のクチコミ・感想
おとうと(1960)のレビュー一覧を見る
|