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タイトル名 |
ジャージー・ボーイズ |
レビュワー |
トントさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2015-05-10 00:29:36 |
変更日時 |
2015-05-10 00:33:21 |
レビュー内容 |
イーストウッドの映画って、観終わると、あぁ彼の映画だよなぁと思わせる何かがある。それは「俺はいいよ」って感じで、映画製作の前面に出てこようとしないのに、彼の枯れた完成された人間がにじみ出てるところに、イーストウッドの映画があるのだと思う。つまり作家性を求める作品なら、ポイントを絞って、演出の戦略にセンスが現れる。ところが彼の映画は、いい見せ場があり、もっと面白くできそうなのに、そうしない。むしろ場面より、人間を描きたいとこに、彼の作品があるんじゃないか?この映画で言えば、ラスト近くの「君の瞳に恋してる」を歌う場面。中年以上の人なら、誰でも一度は口ずさむだろうその曲が出てきたとき、この人たちの曲だったかぁ!ともう拍手喝采である。だけど、イーストウッドの演出は抑え気味で、最高のクライマックスになりそうなとこを、サラリと通過してしまい、バンドのメンバーのその後の人生描写に行ってしまう。でも観てる我々は、もっと観ていたいのに、という気持ちを持ちつつ、その後の展開もへぇ、と思わせられてしまう。で、ラストは地味である。そういうのがイーストウッドなのだ。某映画雑誌では、彼の新作が出る度に、1位を献上する。きっと票を投じた人たちも、イーストウッドのそういう地味さを、その背後にある彼の努力家の側面に票を投じてるのではないかなぁ、などと思ってしまう。才気は感じさせないが、どういう業界や世界の人を描いても、「あぁいいよねぇ」っていつも思わせる彼の話術は、やっぱ努力しないと生まれるもんじゃないよねぇ。「アニキ」。そんなセリフがいつまでも似合うジジィだよねぇ。しみじみ思うよ。 |
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