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タイトル名 |
アメリカン・ギャングスター |
レビュワー |
フライボーイさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2008-02-07 07:07:28 |
変更日時 |
2012-06-04 20:45:12 |
レビュー内容 |
ここ最近のギャング映画の中では傑作の一本だろう。ハーレムの麻薬王として君臨するフランク(D・ワシントン)と、僅かな手掛かりからそれを追う特捜班のリッチー(R・クロウ)。クライマックスの〈アメイジング・グレース〉まで、二人が一切顔を合わせないという演出がニクイ。また、70年代の刑事映画へのオマージュがさりげなく挿入されているのもポイント。ポパイことエディー・イーガンが『フレンチ・コネクション』から押収したブツを他の刑事が横流ししていたり、拾った大金を警察に届け仲間から疎まれるという『セルピコ』な主人公。当時の警察は腐敗しきっていて、下手なギャングよりタチが悪かったらしい。その象徴である、ジョシュ・ブローリン扮する悪徳刑事の〈非道っぷり〉が実に素晴らしい。ひとつ納得がいかないのは、70年の刑を言い渡されたフランクが、警察に協力し密告しただけで、15年に刑期が短縮されるところ。映像を見ただけでも、彼は少なくとも3人は直接手を下して殺害しているし、麻薬の密売によって数え切れないほどの人間を死や廃人に追い込んでいるのに、これでは被害者も浮かばれないだろう。さんざん悪事を働きながら最後に善人面するよりは、自らに銃口を向けた悪徳刑事の方が潔い引き際だったと思う。 |
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