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タイトル名 |
戦争と人間 第一部 運命の序曲 |
レビュワー |
サーファローザさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2009-11-06 00:59:56 |
変更日時 |
2009-11-06 00:59:56 |
レビュー内容 |
山本薩夫監督の中でも好きな作品のひとつです。日活オールスター作品って他にあるのでしょうか?東宝オールスターとなるとどうしても「男臭く」なるのだが、日活は女優陣が強い。浅丘ルリ子、松原智恵子、栗原小巻、(後に吉永小百合・佐久間良子も登場)と豪華です。 戦争を題材にした作品は、どうしても作者の視点が浮き出てしまうのですが、大作に相応しいスケールの大きさを演出している。関東軍と結託して拡大を図る伍大家が中心になるんですが、戦争の大局のマクロ的な視点から、日本人のみならず満州・中国・朝鮮人のミクロ的な視点まで、満州の地で絡み合うそれぞれの思惑・憎しみが双方で進行していく。また、五味川原作「人間の條件」と同様に愛についてのドラマ、戦争によって引き剥がされていく複数のドラマが絡んでくる。ここにスケールの大きさを感じた次第で、現在だととうてい「作り得ない」演出であり、キャストでしょう。 個人的に好きなシーンって、どうでもいいのですが、伍大家の跡取り(高橋悦史)がチャイナドレスの栗原小巻を背中に「いい腰してるぜ」っていうシーン。果て、原作にも同じシーンがあったのか、それとも伍大家の行く先を暗示している意図なのか、つい考えてしまうほど、山本演出ではお目にかかれないシーンでした。 ぜひ、大スクリーンで3部一気に楽しみたい作品です。 【昨年の新文芸座にて】 |
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