|
タイトル名 |
サンライズ |
レビュワー |
K-Youngさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2008-02-09 14:40:05 |
変更日時 |
2008-02-09 14:40:05 |
レビュー内容 |
男の手だ、半開きに宙に構える手だ。殺意を語る、迷いを語る、懺悔を語る。妻の首だ、時には斜めにしなだれ、時にはぴょこぴょこ動く、失意を語る、幸福を語る。ホーンが呼ぶ、妻の名を呼ぶ。名前は分からない、でも、妻の名前が分かる。オーバーラップ、交換するショットも使う。善と悪、現実と妄想、田舎と都会、幸福と不幸、その対比。浮き袋代わりの芦の束、見る者に最後はこれが左右するはずだ、つまりは、ボートが転覆するはずだ、と教えつつ、見る者はストーリーの展開にはらはらすることになる。男が死ぬのか、女が死ぬのか、はたまた…… サイレント映画の、表現の極みを見せる。きくところによると、ドイツ表現主義の流れにいる監督であるとか。これが表現主義かと、うーんと唸る。さらに、ここは賛否が分かれるところだが、ギャグも「教会のシーン」を越えてから入っている。ハリウッド側の興行的な要請か?それとも、チャップリン同様の笑いと涙路線というのが、この当時の映画の王道であったのだろうか?何れにしろ、素晴らしい映画だ。 |
|
K-Young さんの 最近のクチコミ・感想
サンライズのレビュー一覧を見る
|