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ダークナイト ライジング - サムサッカー・サムさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ダークナイト ライジング
レビュワー サムサッカー・サムさん
点数 9点
投稿日時 2012-07-31 23:29:34
変更日時 2012-07-31 23:36:22
レビュー内容
全世界待望の一作だが、その重圧もなんのその、衝撃的にして壮絶、伝説の終焉を飾るに相応しい堂々たる出来栄えだ。
「ビギンズ」から本作まで、リアルタイムに映画館で観てきたが、やはり三部作すべてを観てこそ真に楽しめる造りになっている。本シリーズは、絶えず変容を続ける社会に合わせて、そのメッセージ性を変化させているように思うからだ。本作では、「絶望的に打ちのめされた後、人は立ち上がれるのか」という点と、「本当の英雄とは?」という点が深く心に残った。本作で、ゴッサムの人々(主に警察組織)はデントの真実を知らされ、深く動揺させられるが、立ち上がり蜂起する。一市民としてのブルースも例外ではない。最愛のレイチェルがデントを選んでいたことを知り、強敵に叩きのめされても、再び立ち上がりゴッサムに帰還した。「2」でデントは、犯罪あふれる世の中を「夜明け前」に例え、古代ローマの政治を持ち出して、混迷の時代における強力なリーダーシップの必要性を説いていた。しかし本作では、「自分の大切な人を守るため、マスクを着ける(闘う)。」、「ゴッサムの運命を市民に託す。」など、一市民の力を強調している。打ちひしがれた少年にコートをかけ、励ましてあげた真の英雄とは、まさに名も無き警察官、ゴードンだったのである。今、人々は真実を知り、屈することなく立ち上がらなければならない時代、一人一人が主役になる時代が来たということだろうか。「1」で影の同盟は、時代に沿った手段で世直しを行ってきたと言っていたが、平和を守る手段もまた、時代と共に変わっていくのだろう。
また本作は「バットマン」でも「ダークナイト」でもなく、「ブルース・ウェイン」の物語になっている。奈落の底での命綱無しのジャンプは、まさにブルース自身のライジング。マスクという命綱を放り、常人を超えたシンボルとしてではなく、恐れを抱いた一人の男としてブルースは立ち上がったのだ。闘いの後、バットマンは遂に本物のシンボルとなり、その志は引き継がれていく。そして彼は、ブルース・ウェインという一人の人間としての人生を歩み始めた。彼の過酷な闘いと葛藤の人生を観てきた僕らならば、守るべき人と共にいる彼の姿を、アルフレッドと同じ面持ちで祝福できるのではないだろうか。
サムサッカー・サム さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-08-04トランスフォーマー/ビースト覚醒76.23点
2020-02-091917 命をかけた伝令86.53点
2020-01-17ペット・セメタリー(2019)75.41点
2019-12-19スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け96.78点
2019-12-02ゾンビランド:ダブルタップ76.79点
2019-11-21ドクター・スリープ86.22点
2019-11-13エンド・オブ・ステイツ55.84点
2019-11-09ターミネーター:ニュー・フェイト86.00点
2019-10-23クロール -凶暴領域-66.42点
2019-10-09IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。85.94点
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