みんなのシネマレビュー
IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 - サムサッカー・サムさんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。
レビュワー サムサッカー・サムさん
点数 8点
投稿日時 2019-10-09 18:24:25
変更日時 2019-10-09 18:24:25
レビュー内容
ホラー映画としては異例のメガヒットを飛ばしたITの続編。
90年に制作されたテレビシリーズも前後編に分かれており、初の劇場版シリーズの本作も、90年版と同様のプロットを辿るが、その構成は大きく異なっている。

90年版は子ども編と大人編が交互に挿入される。どの少年/少女にどのような特徴があり、その結果どんな大人になったかが分かりやすく説明されるため、早くからキャラクタに感情移入しやすい。
前後2作の長丁場もダレずに演出できる工夫が凝らしてあると言える。
実際、日本では前後編をまとめ3時間の映画として扱っているので、偶然ではあるが効果的な手法に思える。

対して劇場版シリーズでは、独立した映画2本という体制を活かし、子ども編と大人編をきっちりと分けた真っ向勝負で挑んでくる。
とは言っても、本作だけでも90年版の2作を足した上映時間に匹敵する長尺を誇っており、ホラー映画としては異質の存在である。

前作から(観客にとっての)時間が経過したことが懸念されるが、適宜、子供時代の描写を挿入することで、観客が記憶をサルベージ出来るようになっているので安心だ。
本作では、失った記憶が徐々に戻ってくるという設定があるので、劇中人物と観客との記憶の再構築がリンクするという面白さもある。

前作での人間関係も大体は盛り込まれているので、ぶっちゃけたところ、これ一作でもITの大部分を補完できてしまうほどのボリューム感がある。前作未見の人にも易しい作りだ。(本作の存在意義が薄れる本末転倒な部分でもあるが)

スティーブン・キングのITとは、ホラーと人間ドラマの2つの柱を持つ物語であるが、惜しむらくはホラー部分がビックリ箱的な見せ方になってしまった点か。
3時間に届こうかという長尺ゆえ、視覚効果を効かせたハイテンションなホラー描写が散見される。
多くの年齢層が楽しめるように考えられた妙案ではあるが、大人の観客にとっては「ビックリするけど怖くはない」という感想になってしまうかもしれない。
この辺りは見る世代によって満足度も変わり、調整が難しい部分である。賛否あるだろうが丁寧に健闘している点は評価したい。

面白いなと思ったのは視覚効果の使い方である。
異なる方向に目玉を向けるペニー・ワイズが印象に残ったが、何とこれは演じるビルくんがCGナシで実際にやっているという。さすが超人だらけのスカルスガルド一家の末弟、妙な特技を持っている。
逆に、子供たちをCGで若く見せているという点もまた面白い。
長期撮影期間に、子役たちがグッと成長してしまったことをカバーするための施策だが、言われてみるまで全く分からなかった。
単にクリーチャーを創り出すだけがCGの仕事ではないようだ。

また「シャイニング」の名せりふを言わせたり、「クリスティーン」のプリマスのナンバープレートが登場したりとフフっとなる小ネタも楽しい。

話がそれたが、、、
最も素晴らしい点は、「スタンド・バイ・ミー」もホラー版とも言われるITにおいて、ノスタルジックな人間ドラマをしっかり描けている点だ。
マカヴォイとチャスティンという、数か月前まで超能力で殺し合っていた二人の再共演だが、チームの中心的な役割を担っており、安定感がある。
ITを倒した後にもしっかりと人間描写が描き込まれるのもいい。
この優雅なフォロースルーでは、長い冒険が終わるという充足感、そして大作映画を観たという満足感が確かにある。

27年後にデリーの街に集ったルーザーズの面々は確かに変わってしまった。もう一緒にいられなくなった仲間もいた。変わらないものなどないのだ。
出来事は全て記憶になっていき、それを思い出すことしかできない。

この映画を観た少し前、僕はちょうど友人の結婚式で旧友達と再会し、朝まで騒いだばかりだった。
大人になるにつれ、皆それぞれの人生を歩みだし、今はこういう席でしか集まることはないが、それでも一緒にいると楽しかった。

変わらないものはない。
でも、お店のガラスに映ったルーザーズは確かに昔と同じような記憶を共有していたのだと思う。

思い出の中にある悲しさや儚さ、青春時代のきらめき。色んなキラキラした思いが胸に込み上げ、なんだか切なくなっちゃう「IT」なのでした。
サムサッカー・サム さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-08-04トランスフォーマー/ビースト覚醒76.23点
2020-02-091917 命をかけた伝令86.53点
2020-01-17ペット・セメタリー(2019)75.41点
2019-12-19スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け96.78点
2019-12-02ゾンビランド:ダブルタップ76.79点
2019-11-21ドクター・スリープ86.22点
2019-11-13エンド・オブ・ステイツ55.84点
2019-11-09ターミネーター:ニュー・フェイト86.00点
2019-10-23クロール -凶暴領域-66.42点
2019-10-09IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。85.94点
IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS