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タイトル名 |
メンフィス・ベル(1990) |
レビュワー |
はち-ご=さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2010-07-20 00:49:18 |
変更日時 |
2010-07-20 00:49:18 |
レビュー内容 |
妻投稿■東京大空襲の下の人を描いた作品は多々あれど、上の人を描いた作品は多くなく、舞台がドイツとはいえこの映画はそうした上の人を描いた数少ない作品だ。「下の人を描いていない!!」と怒られる事の多い映画だけど、この映画は「下の人」を描く映画ではないし、そもそも登場人物だっていつ迎撃されるか、高射砲という爆弾でまっさかさまにたたき落とされるかという恐怖のなかで「下の人」の事を考えている余裕はない。「目標は軍事施設だ」という主人公たちの「納得」は極限状態での「自分に対する落とし所」にも見え、極めて人間的でリアルだと思った。■確かにアメリカにとってみれば「戦意高揚」「愛国映画」なのかもしれないが、日本人にとって無価値な映画だろうか。戦死した兵士に勝手に高揚して涙を流す上官や、その「物語」を利用しようとする軍部。こういった連中によって、実は空爆する方も命がけの無差別爆撃が行われたのだ。■私は憲法9条に必ずしも賛成はしないけど、でもいつか日本人だってこういう戦争をするかもしれない。そうならない為の教材が「空爆で焼け死んだ無垢の人々」というテーマだけでなければいけない理由はない。むしろ大空襲の場合は「下の人」と「上の人」両方を日本人は見るべきだと思う。この映画は入門編だ。 |
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