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タイトル名 |
ヒトラーの贋札 |
レビュワー |
はち-ご=さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2011-07-14 10:41:42 |
変更日時 |
2011-07-14 10:46:20 |
レビュー内容 |
妻投稿■ホロコーストの映画って、虐殺被害者は聖人君子みたいな人ばかりで、生き残れた喜びと生き残れなかった悲惨さを対極に画くことが多い。これって、歴史修正の中で被害者(の人として許される範疇の世俗)に物凄いバッシングが来たり、被害者自身が「お前は実はこんなズルで生き残ったんじゃないか」と生き残ったことに罪悪感を感じるように強要されたり、そうやって結局虐殺を容認した社会やそこに生きる人の想像力の足りなさが無罪放免になる仕組みになったりして、とても危険だと思います。■この映画は、というよりこの原作者で実際に収容所に入って贋札を作った方は、「私のことを厭らしい俗物と非難してくれてもかまわない」「かわいそうだと思ってくれなくてもかまわない」「贋札作りという理的行為を行った人間として糾弾してくれても構わない」というスタンスです。その代わりに見た人に対し、「私たちはこの状況で正義を取れるか、それとも安全のために強いものに気に入られるよう頑張るか」というジレンマを感じてほしかったんだと思います。ホロコーストは一般大衆が賛成した大虐殺。それを許した歴史を持つ人間は、実はヒトラーに洗脳されて何が正しいのかわからなかったのだけではなく、正しいものを封殺した主人公のような俗人的部分があったんだと思います。だから、終戦記念日の黙祷時間に、こういうジレンマが自分の体にあることを感じてほしいと、この映画は訴えているんじゃないかと思います。生き残ったものがカジノで喜びではなく孤独を感じるシーンは、その象徴だと思います。 |
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