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タイトル名 |
ハート・ロッカー |
レビュワー |
はち-ご=さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2010-11-15 22:25:17 |
変更日時 |
2010-11-15 22:25:17 |
レビュー内容 |
妻投稿■この映画の主人公は戦争に狂ってしまった・・・・のではなく、戦争に適応したのだと思う。この映画の主人公は決して狂ったわけではない事を私は主張したい。そのうえで評価すると。■私の友達の強姦被害者の言葉を、映画を見て私はずっと思い出していた。「私たちが戦わなければいけない感情は、怒りでも憎しみでもない。無力感だ」という言葉だった。暴力、虐待など圧倒的かつ予想不可能な力による死の恐怖に向かい合わざるを得ない状況下で、人間は無力感に押しつぶされやすい。実は人間の愚行、自分を傷つける、他人を傷つける、人生をダメにするという様々な悲劇のかなりの割合が「無力感」によって生まれているのではないかと私は思う。主人公は人間の生存、自己保護本能によって戦争に適応した。しかしそんな中でも彼は予想だにしない死の恐怖を、その果てにある無力感と戦っているのだ。この映画は、そういう極めて普通の人間の当たり前の姿、しかし平和のなかでは異端視されやすい姿を直視した映画であり、それ以上でも以下でもないのではと私は思う。■ただしそういう映像を表現するのに必要以上のカメラのブレはいただけない。私はカメラのブレは「カメラがその場に存在する」という現実味を与える事は出来ると思うが、「観客がその場の空気を感じる臨場感」を与える事は出来ず、むしろ逆効果だと思う。観客の人間の目って、日常生活でブレを意識したりしないでしょ? |
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