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タイトル名 |
バケモノの子 |
レビュワー |
はち-ご=さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2015-08-25 23:58:25 |
変更日時 |
2015-08-26 00:01:22 |
レビュー内容 |
妻投稿■ これは細田監督最高傑作かも知れない。何より体技格闘シーン、固い(≠硬い)動きが素晴らしい。最近のアニメの戦闘シーンは動きがやわらかすぎる。敢えて動きを固くしつつ素手と力と刀といった多様な姿勢で如何に相手の縄張りを崩し、攻撃を受け止め受け流し、止めの一発を決めるか(騙し合いではなく相手に合わせた戦い方の中で)…。その緊張感を少年ジャンプみたいな技名を繰り出して背景すっとばした世界で主人公跳躍するようなものではない、それこそ私が観客になったような視点で見て感じることができた。 ■ 内容について…(特に後半)これは間違いなく3.11後の日本をモチーフにしているのではないか。渋谷で沢山の車を持ち上げる黒い鯨は間違いなくあの恐ろしい津波のメタファーだ。故郷を失った人、大切な人にもう合うことができない人…その人がどう立ち直っていったら良いか真剣に考えた映画なのではないか。父親に反発する蓮の姿は、(原発)被災者に寄り添うふりをしながら自分たちのイデオロギーに利用するだけの連中への痛烈な批判、全てに絶望してしまうことに対し「(「そうじゃないよ」じゃなく)そう思ってしまったとしても大丈夫だよ」と抱きしめる楓の言葉、あの津波のような鯨を見て「死によって解決するしかない」と追い詰められる蓮、そして熊徹が刀となって蓮の体の中に入ることの意味。一人で戦っているんじゃない…という言葉。「蓮と熊徹の強くなることの意味」というテーマがそこに終着した時、私はこの作品は傑作だと思った。 ■ この作品は感動シーンと女子高生が喜びそうな格好可愛い男の子の活躍が目立つ。後ろの席10代の女の子は大喜びしてた。でもお涙頂戴場面とかわいい男の子登場させれば彼女は喜んだだろうか。そうじゃない。やっぱり九太も連も、熊徹もすごく格好いい奴なんだ。 |
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