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タイトル名 |
クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ 拉麺大乱 |
レビュワー |
はち-ご=さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2018-04-26 20:18:28 |
変更日時 |
2018-04-26 20:18:28 |
レビュー内容 |
【妻投稿】
火曜日鑑賞。春日部という街に同居しているチャイナタウン。「ブラックラーメンを食べられる、そのほうがみんな幸せなんだ」という台詞。やたらと連呼される「出て行け」という台詞。破壊された胡同みたいな市街地。暴れまわる大人たち、スマホ写真という物理的証拠を見せても誰も信じずに襲ってくる状況。この状況に絶望し無茶苦茶な正義を欲するヒロイン。
完全に社会的少数者へのヘイトやポスト真実といった最近の世相を反映している。 悪役も「ラーメンで洗脳して世界征服をする」のではなく、ただ凶暴な大人を増やして社会を殺伐とさせているだけだし(なんか町の凶暴化した市民が『ブラックホークダウン』や『ホテル・ルワンダ』で暴れまわっていた連中みたいだし)。 相模原で45人の障害者が殺傷された時に犯人をヒーローだと思う人間がかなりいたように、「気に入らないなら社会から消えろ」「この社会にお前らなんかいらねぇ」って事を平気で言う考えは大人の社会でほとんどステイタスになりつつある。 映画ではそういう大人の姿を敢えて子供に見せていて、「この世の中でどう人を傷つけずに生きていくか」って事をテーマにしているかもしれない。
ラストシーンは唐突でナンセンスだが、確実にわざとやっている。春日部にいきなり野原が現れるなんてありえないから。 多分物語は夕日の鉄橋の下で終わっているのだ(本当にこれで終わりそうな勢いだった)。 だって今の社会はその状況だから。 ラストの電車ごっこダンスは、ドラえもん映画『夢幻三剣士』の〇〇が〇〇〇になっているといういろんな憶測を呼んだ場面のように、ナンセンスすぎて逆に不気味に見える。 この不気味さは日本の未来の不気味さに通じているような気がする。
カンフーのシーンはそこそこなんだけど、せめてビームは飛び道具ではなく相手にパンチを入れる形で発射すべきだと思った。 それと悪役の魅力がそこそこ。「世の中はもっと簡単よ。食うか食われるか」ってセリフはイカしているし、パンダみたいな食事もいい感じなんだけど、パラダイスキングくらいの思い入れを込めて作って欲しかったな。やっていることは北斗神拳だし。 |
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