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タイトル名 |
北斗の拳(1995) |
レビュワー |
黒猫クックさん |
点数 |
1点 |
投稿日時 |
2009-01-01 17:55:13 |
変更日時 |
2012-04-30 07:58:39 |
レビュー内容 |
この映画を見て、投げやりな、そんな気にさせられたのは間違いない事実で、良く話すようになったクラスメートの女の子に電話を掛ける勇気が出なかったのはきっとこの映画のせいに違いない。きっとそうだ。 ケータイとか、メールだとか、そういうのがまだほんの黎明期だった。夜、彼女に電話を掛けるか掛けないか、それは非常に大きな問題でありほんとのところ非常にどうでもいいことでもあるのだが、便利な年代になってこないとそのあたり全然気がつかなかったりするからしょうがない。 悩んでいるつもりの時間の、使っているつもりになっている時間以上に速く進む時計はモーターが壊れているとしか思えないほど容赦がない。そんな時間を使っている位なら映画でも観ようと、昼休みの学食で急に始まった北斗の拳ゲームで二回目のジャギ様を出してしまった罰ゲームをカーキのバッグから取りだした。で、それが間違いだった。
丑三つ時にこれを見終わった時、俺はなんてことをしてしまったんだと、してもしょうがない後悔をひとしきりすると先送りにしていた風呂に入った。「あーしょーがねーな」と口先だけは気にしない。 髪を乾かして布団に入って具体的にてイラッと来たわけだ。何しろ観ている間のショックは、詐欺師に何度も胡散臭い説明をされている当惑に、だまされている実感が隠されているような物だったからだ。そしてようやく容赦なくこの映画を罵倒してやろうと思ったのは事実であり、やっぱめんどくさいから一瞬でやめたのも事実だけど良い判断。それを受け止める側の級友は一瞬で電話を切るだろう。 本当は映画なんか観ないで彼女に電話してしまえば良かったのだけど。
だけど後にわかったことだが、あのとき北斗の拳ゲームで勝った他の友達皆が何らかの形ですぐにこの映画を観ることになる。その呪いのビデオを観た友人は次の日口数が少なく、イライラしていた。そして全員が見終わった時、二度と北斗の拳ゲームが行われなくなった。全員が無言でお茶をすする止まった時間に誰とも無し、ぽつりとこの映画を語り始めた恐ろしい午後を僕は忘れない。 実はあの夜、同じ時間に彼女もこれを観ていた。6限が終わって二人だけで帰った夕方に、この映画が二人を結んだんだ。
とかそんな訳ないから。たのむから210円返せ。 |
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