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タイトル名 |
硫黄島からの手紙 |
レビュワー |
黒猫クックさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2008-09-01 01:33:09 |
変更日時 |
2008-09-27 15:41:54 |
レビュー内容 |
映画だけを見ても、最近ならこの映画とランボー4とブラックホークダウン、それからホテルルワンダ、これらを見ると日本人が飲み屋で語り始める戦争観のずれが本当に恥ずかしい物だと分かります。 右だの左だのという実態のない妄想に逃げて、生活に具体的な利益が全くありません。 前世紀からとぎれなく続く戦争や紛争がいかにすさまじく、意味不明で、大戦中の戦争がいかにわかりやすかったかということがなぜ分からないのですかと思えるほど。 この映画でも一兵卒の視点では国土を守るための軍事行動で、その衝突であるということが分かる。ものすごく分かる。 戦闘に参加した双方の兵士たちが、色々な疑問や悲しみとぶち当たりながらも国土を守るためという理由があって戦ったことに、凄くドラマがあります。 そこで失った物に悲しみがあり、どこかでこうならないための選択肢がなかったかという議論になるべきところが、なぜか過去の戦争の話から思想に逃げてしまう国民性が悲しい。 一方で現代の紛争は、それが問題にならないほど残虐で悲惨。何がしたいのか分からないけど人が殺されて、それが虐殺ではなく紛争と言われたりします。 金を払うから殺してくださいと懇願するほどの拷問を受けて死ぬ人がたくさんいます。 昔の戦争で起こったことの悲しさと現代の紛争の悲惨さは本質が違います。 近代国家で言えば日本でやっているような反戦活動はもう先進国間では成就したと言っていいのではないかと思うほど。 そういう日本とは認識が違う世界で作られた、ドキュメンタリータッチの戦争映画ですから必然的にこの国では何が言いたいのか分からないという印象になるかもしれない作品です。 しかし旧世代の戦争の、起こったことの重大さを日本人以外の世界観から眺められる貴重な2時間です。 日本人の要求する史実や当時の国家思想、軍部の対立といったような四方山話がいかに世界平和と関係なく興味を持たれていないかということ、アメリカに解決してもらった平和実現を右左のトンチンカンな理論で語っているのかということを理解するインパクトがあります。 |
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