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タイトル名 |
レオン(1994) |
レビュワー |
黒猫クックさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2010-04-30 00:54:14 |
変更日時 |
2010-04-30 00:56:14 |
レビュー内容 |
リュックベッソンはこの作品まで良い職人だったと思う。フィフス・エレメントあたりからおかしな方向に行ってしまったが、それはそれ。この作品が大変面白いこととはあまり関係のないことだろうからあまり考えないことにしている。
この映画の特徴の一つとなっているが、閉じられた世界観が精神的にも地理的にも支配的で、その小さな世界の中で逆らえない予定とも運命ともつかない時間の流れからの圧迫感が、登場人物にも観客にもそこから逃れる術を模索させる。
ほんの短い時間で不可逆的に変わってしまう彼らの生き方は壊れることで収束するが、大きな街の中で小さな箱庭が失われてしまったに過ぎないこの出来事は、観客の気持ちに小さな感傷を残す。生き残った登場人物のその後を思ってじっくりと憂鬱に浸ることができる。
そういう小さな世界で起こった大きな出来事はほんのちょっと私を切なくさせるが、そういう気持ちをちゃんと植え付けてくれる映画って言うのは実はそんなに多くない。だから大事にしたいお話なのである。
完全版の方は、追加されたシークエンスが私が持っていたイメージを強烈な力で矯正してしまい、この映画に持っていた幻想的な世界を打ち消してしまった。付け足して作られた新たな世界観は、何となくその後のリュック・ベッソン的でなじめない。 |
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