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タイトル名 |
縞模様のパジャマの少年 |
レビュワー |
アンドレ・タカシさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2011-01-16 21:34:22 |
変更日時 |
2011-01-18 20:58:21 |
レビュー内容 |
ときどき、微妙に納得できない気持ち悪い映画に出くわすことがある。本作も私にとってはそんな作品でした。ナチスのユダヤ人に対する行いが8歳の子供の視点から描写される。家族をはじめとして、主人公の周囲にいる人物たちのその政策に対する態度にはかなりの温度差がある。それをひとつに整理しきれない子供の描き方には共感できる。では、なにが気持ち悪いのか。ユダヤ人迫害に関して特に新しいことを言っていないにも拘わらず、物語のクライマックスをドイツ人の子供を巻き添えにして演出している点だ。そもそも強制収容所と云うところは、敷地の片隅の地面を少し掘れば出入りできるほど雑な管理をしていたのか? 調べてみると、監督も原作者も戦後生まれで強制収容所の実情をどの程度理解していたかに疑問符が付く。だから、これはやはりフィクションなのだ。いや、ほとんどの映画はフィクションなのだが、慎重に扱うべき題材もあるはずと思うのです。本作が重篤な史実の瑣末部分をアレンジしてエンタテイメントを捻り出したように感じられて、それが気持ち悪くて仕方がない。収容所の関係者をひと通り描写して、さらにドイツ人の子供を巻き添えにしたら新しく見えるし、それが所長の息子なら皮肉も効くだろう…ってところ。製作者の態度の本当のところは分かりませんが、私は「シンドラー」「ソフィーの選択」「戦場のピアニスト」などの横に本作を並べることができません。 |
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