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タイトル名 |
南極料理人 |
レビュワー |
アンドレ・タカシさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2010-03-07 22:19:01 |
変更日時 |
2010-03-14 00:54:48 |
レビュー内容 |
たくさん笑わせてもらいました。ちょっと大げさに言うと、邦画の笑いもこなれて来たなぁと思うシーンがいくつかありました。南極で、特に奥地のドームふじ基地で越冬する観測隊の生活は相当に過酷だと思います。特に映画の後半、何ヶ月も夜が明けず(極夜と言うらしい)、気温はマイナス70度まで下がる。ひとつ手違いがあれば、即座に凍死です。肉体的にも精神的にも、かなりタフさが要求されるはず。リアルに描写したら観るのが辛くなるところを、ぬるま湯の温度感で見せてくれた。語り口としては、素敵な欺瞞でした。その昔、「バペットの晩餐会」という映画を観たとき、美味い食事は人を幸せにするという真理を見た気がしたけど、今作では「食べる」こと自体が人の心に起伏を作り、時に精神の平衡を保つ機能を持っていることが分かります。頭がエビフライモードになった奴らの気持ちが良く理解できる。この、人の営みの根幹を成す行為の大切さを改めて認識した次第です。堺雅人と家族の絆が、この映画の語り口にシンクロしたとぼけた距離感で心地よかったです。心残りはオーロラかな。みんなラーメンに熱中してましたが、極夜のオーロラは凄いらしいです。 |
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