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タイトル名 |
あの日、欲望の大地で |
レビュワー |
アンドレ・タカシさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2011-07-10 23:56:12 |
変更日時 |
2011-07-12 22:40:16 |
レビュー内容 |
シャーリーズ・セロン演じる主人公が働くレストラン近くの海の荒涼とした波涛が重い運命を暗示する。倒置されるストーリーを理解するうえで見逃してはいけないのは、少女時代の彼女が二つの時間帯に分けられること。例の事件の前後で。彼女が熱に耐性を持っているのは、炎で体を焼いていたから。それは、自責の念からの自傷行為だったとラスト近くで判明する。ちょっと懲らしめるつもりの悪戯が引き起こした決定的な崩壊。少年と付き合ったことも、彼の父を殺した引け目と無関係ではない。だが、それが妊娠に繋がり、生まれたばかりの娘と引き離されたことは彼女自身の傷口を広げる結果となった。彼女が誰とでもベッドに入るのは、自暴というより夜に一人でいることが怖かったからだと思う。自分の娘と和解し、父母子の3人の生活を暗示させて映画は終わる。意地悪な視線かもしれないが、あれで解決したのだろうか。私にはまだ波乱が続く気がしてならない。彼女は「許されざる者」。極悪人ではなく、業を背負った人という意味です。その業は誰かと暮らしても分け合えるものではない。主人公を簡単に解放しないところがこの監督さんの特徴。安易なハッピーエンドなど用意されていない。ただ、親子で暮らすことは累積した不幸の一片の正常化であるし、新しい暮らしに希望を抱くことが処方箋になることも確か。不幸の螺旋に落ちた人の再生の可能性を模索し続ける応援映画、という印象です。 |
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