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タイトル名 |
麒麟の翼~劇場版・新参者~ |
レビュワー |
アンドレ・タカシさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2012-01-31 11:34:32 |
変更日時 |
2012-02-02 21:13:16 |
レビュー内容 |
「新参者」は未読でTVシリーズも観ていないが、加賀恭一郎のシリーズは何冊か読んでいる。主人公の輪郭は把握しているから大丈夫だろうと劇場へ。本庁と所轄の関係はステレオタイプなので容易に追いつける。剣道で培った熱を内側に封じながら冷静に捜査を進める主人公像を阿部寛が演じることで脂っ濃くなった印象。でも、太い感じは出ていて悪くない。ストーリーは様々な人間関係が交錯し複雑に進む。それぞれの関係性に特筆するものは無いが、組み合わせ方が巧みで展開に引き込まれる。最後のオチにはご都合を感じる。あの状況でナイフで刺すか? そこに被害者の会社を解雇され、同棲相手の妊娠でお金に困っている男がたまたま出くわすか? 腹を刺された段ですぐに助けを求めれば助かった可能性はないのか? 何より、いきなり残された時間が無いことを自覚したら、話しておきたい相手の携帯を鳴らすのではないか…。私が興味を引かれるのは、裏テーマ的に描かれる加賀恭一郎とその父親の関係。あれほど、被害者・被疑者・関係者の心情を斟酌しながら捜査を進める加賀恭一郎が、しかし自分と父親のこととなると客観性が無くなり意固地が先行する。良く分かります、その感覚。肉親との関係には親愛や甘えや意地が同居する。ボタンを掛け違えると、素直になりにくい関係性。中井貴一が演じる父親像に加賀恭一郎は何を思ったのか、という作品だったと思います。その中井貴一が素晴らしかった。このところ、ますます演技に幅が出てきたなぁと感心しています。 |
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