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タイトル名 |
何者 |
レビュワー |
アンドレ・タカシさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2018-03-06 00:07:35 |
変更日時 |
2018-03-06 00:23:11 |
レビュー内容 |
主人公は周囲の人を落として相対的に自分の尊厳を保ちたかった。それは矮小なプライドで、主人公がそれに気付くことが本作のテーマだったと思います。現代的な青春映画、ってところでしょう。 そんなお題目より、私は匿名性と記名性でテキストの性格が変化するところに引っ掛かりを覚えました。それは本作と云うより、原作読後に強く感じたことです。主人公がツイッターにアップしていた「批評」は独りよがりな部分はあるけど、批評とはそんなものだと思います。このサイトのレビューだって彼のツイートと同類です。でも、それは世間的に許容されている。批評が過激な批判にならない限りは、ある程度の放言が許されるのがネット上の匿名コミュニケーションだと思います。ところが、その匿名性が消えた途端に批評は「悪口」に様変わりします。特に近い距離にいる人に対する批評は嫌味や中傷と受容される。面と向かって大声で他者を批判する習慣が薄い日本人にとって、彼がやっていたことは不道徳な行為のようです。でも、発言者の素性が知れた途端に発言内容の意味性が変化するって不思議だと思いませんか? 感じたことを誰に対してどこまで口にすれば良いのか。あるいは事なかれを装い無言が良いのか。コミュニケーションの難しさの本質的な部分に触れている作品だと思います。レビューから逸脱気味ですが、そんなことが気になった作品でした。 もうひとつ余談。学生時代、コンパの席などで将来の志望が話題になったとき、私は「何になるかは分からないけど、何者かにはなりたい」と言っていたことを思い出しました。私が云うところの「何者か」はジャンルは限定しないけど、そのジャンルでは一目置かれる人物って意味でしたね。大望(でも無いかw)を抱くのは若者の特権。 |
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