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タイトル名 |
少年時代(1990) |
レビュワー |
アンドレ・タカシさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2012-11-18 15:24:06 |
変更日時 |
2012-11-26 16:09:07 |
レビュー内容 |
少年時代とは、記憶である。殊更に、友人との記憶である。本作はそんなお話だと思います。 東京から富山へ疎開した主人公は、腕力以外の部分で彼にしか無いものを持っていた。そのために、学校での覇権争いで重要なポジションを占めることになる。学校のボスは絶対王政を布く優等生。異物に対するイジメでも先陣を切り、主人公も洗礼を受ける。でも、彼の王国を離れた二人だけのコミュニケーションでは、豊かな悟性と感性で主人公を包み込む。このボスの個性は厳めしさと優しさの二面性。王様であるための厳めしさと心を許す数少ない友人への優しさです。 ボスの二面性に戸惑う主人公。そして、感覚的に彼の事情を理解しながらも、イジメられたことに対する反発が裏切りに繋がって行く。高い理解力と感情の狭間で、主人公にも二面性が窺える。 そんな二面性の絡み合いを、本作はあるがままに切り取る。無意識下の強い繋がりと、結論など無いような曖昧さ。後に少年時代として回想すれば、成長してからは味わえない情感がそこにある。楽しいことだけでは無く、ネガな部分もたくさんある。本作はそんな悲喜をひっくるめて、少年時代を表現した秀作だと思います。 20年越しの再見でしたが、受けた印象は変わらず。自分の少年時代も不変のようです。 |
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