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タイトル名 |
グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版 |
レビュワー |
アンドレ・タカシさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2011-02-03 22:44:35 |
変更日時 |
2011-02-22 22:47:21 |
レビュー内容 |
ジャック・マイヨールは実在の人物なので、本作は海とイルカを愛した彼の人生へのオマージュですね。そのエッセンスを叙情的に切り取った秀作という印象です。言葉少ない彼の海への憧憬が綴られてゆく内に、彼の本当の願いが見えてくる。それは海と同化すること。彼は海に魅入られたというより、海に還って行く人でした。ベッドルームの天井から海水が溢れ海中を漂う幻想を見るシーンが象徴的。そんな浮世離れした願望を、あたかも自然なことのように捉えているジャック。その危い存在感に畏れを覚える。でも、実名を使った映画ということは、ジャック・マイヨール本人も同様に海を捉えていたのでしょう。本作におけるダイビングの深度とは海とジャックの同化を演出する記号でしかなく、ノーマル人間のエンゾに勝機は無かった。でも、映画としてはエンゾの存在は欠かせなかったです。幼なじみの友人であり、気丈にジャックをライバル視しつつも、海とジャックの関わりを最も理解していたのはエンゾだったと思います。無名に近かったジャン・レノの存在感は主人公より記憶に残りました。余談ですが、福岡の空港でマイヨール本人を見たことがある。彼が亡くなる直前のことでした。年齢的にはヨボヨボに近い老人なんだけど、背筋がピンと伸びてがっしりした体格も目を引いたが、なにより纏っている雰囲気が只者じゃなかった。あのオーラは形容できません。一緒にいた友人がジャック・マイヨールだと教えてくれて、この映画を観た後だったこともあり納得しました。その姿は今も記憶に焼きついています。 |
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