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タイトル名 |
乱れ雲 |
レビュワー |
アンドレ・タカシさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2010-03-08 22:18:55 |
変更日時 |
2010-03-09 19:49:25 |
レビュー内容 |
司葉子の表情を観る映画でした。まさか、あの二人が恋仲になるようなベタな展開じゃないよな~、と思っていたら、あらあら本当にそうでした。でも、司葉子の眼差しにある冷たい塊りを見ているうちに、どんどんと引き込まれた。恨み、悔しさ、哀しさ、拒絶。司葉子はほとんど目だけでそれらを表現していた。裁判でも過失を問われない事故との判決が出ているんだから、あの視線をぶつけられる加山雄三が可哀想でした。彼女は自分の理不尽さも理解していて、その葛藤も微妙な表情に表れる。酔いにまかせて本音をぶちまけてからは、まるで憑き物が落ちたように表情が和らぎました。この転換が見せ場とも言える。加山雄三の下宿を訪ねて、階段の下から彼を見上げる時の切ない表情は強く印象に残る。そして、最後の別れも理解できます。恨みや憎しみは忘れることが出来ても、深い悲しみが消えるためにはもう少し時間が必要だったようです。でも、悲しみで穿たれた心もいつかは埋まるはず。この二人は、これで終わりではないと思いました。 |
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