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タイトル名 |
カールじいさんの空飛ぶ家 |
レビュワー |
空耳さん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2025-02-12 06:50:47 |
変更日時 |
2025-02-12 07:10:51 |
レビュー内容 |
なんかもったいないというか、練り込みが足りない印象。序盤はむしろすばらしいのだが、エリーが亡くなってしまうことで前半と後半とが寸断される印象があって前半の余韻をつなげられない。何も死ななくてもよかった気がする。寝たきりでもなんでもいいから生きていて一緒に飛んで行った方がよかった。それとあちこちに矛盾とまでは言わないが、次から次へと疑問が浮かんできてしまう。たとえばあんな方法で家を移動させられる(しかも老人が独力で一夜にして完成できる)のなら、何もお金なぞ貯めずさっさとあの方法で飛んでいけばよかったじゃないかとか、あんな優秀な(だよね?)冒険家が何十年も狙っている鳥が簡単にカールじいさんの仲間になってしまうのはなんなのかとか、そもそもあれだけの犬がいるのになぜそれまで捕まえられずにいたのかとか、あんな仰天するべき発明(犬がしゃべるだけでなくあそこまで従順になるとは!)をしているのなら鳥にこだわらなくたってとっとと帰還して「鳥は無理だったがすごい発明がある!」といってもいいぐらいではないのかとか、あとラッセル周辺の人間関係もよくわからないし(暗示されているのかもしれないが暗示にとどまっている)、そもそも唐突に東洋系の男の子が出てくる理由もわからない(多様化への忖度??)。エリーの少女時代が無茶苦茶印象強く魅力的なので、ラッセルではなく子供のときのエリーそっくりの女の子が出てきて‥‥という方が前半と後半をつなげられるしずっと面白かったような気がする。いっそのこと風船のアイディアも子供発案ということにしてもいい。だって子供っぽい発想だと思うし、風船でものを飛ばすのも子供時代のエリーがやっていたことだったはず。もとい、視点を冒険家に移してみると彼にとっては挫折の原因となった鳥を捕まえるのは全くもっともな理由があると思うし、何も殺そうというわけではないのだから(「生け捕り」とはっきり言っている)あそこまで邪魔する理由があるのかどうか、むしろ二人は協力してもよかったのでは? と思えるし、それまでの友好的な態度が一変していきなり命まで狙うような感じなのも唐突すぎる。そんなふうに決裂する前に話し合うとか自分の苦労を説明してわかってもらおうとするとか、まだやり方があった気がする。他にはいくら浮いてるからといっても家を老人一人で簡単に引っ張っていくのも(科学的にどうなのか知らないが)違和感があるし、とにかく練り込みが足らず間に合わせましたという印象が強い作品。エリーの子供時代がとても魅力的なだけにとてももったいないと思う。自分が脚本を書くならさっきも書いたようにラッセルではなくエリーそっくりの子供を登場させ、エリー自身は生きているが寝たきり状態(ほぼ意識なし)にさせたまま登場させるがなぜか子供エリーは年老いたエリーには近づかず話しかけもせず、家を飛ばすアイディアは子供エリーの発案か、または風船で遊んでいるところをみてカールじいさんが気がつくかして家を飛ばし、あとはほぼそのまま踏襲するとして、ラストは「約束の地」についたときに意識不明だったエリーが奇跡的に目を醒ましておじいさん大喜び(おじいさんが十字を切ると意識が戻るみたいな設定にしてもいい)、ところが子供エリーはそれと同時に忽然と姿を消してしまっていて「あの子はなんだったのか‥‥まさか‥‥」と愕然とするおじいさん‥‥でおしまい、みたいな筋書きを考えてみた(笑)。 |
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