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タイトル名 |
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 |
レビュワー |
空耳さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2016-05-16 16:59:37 |
変更日時 |
2016-05-31 01:54:25 |
レビュー内容 |
「いい映画」だと聞かされて見るのと知らないで見るのとではまるで違う。「傑作」などという評判を知ってしまうと、期待してしまう分だけ要求が高くなって「なーんだそんなに大したことはないじゃん」となりがちだ。クレシン映画は「ロボ父ちゃん」が出色の出来だったので、あれを上回るのは難しかろうと思って一時間ほど冷静に見ていたが、突然始まるあのヒロシの回想場面に完全に打ちのめされてしまった……。
これは確かに郷愁だ。ただ郷愁というと「過ぎ去った昔を懐かしむ」「あの頃はいい時代だったと思う」ことになると思うが、個人的には時代なんてものは付属物にすぎず、郷愁の本質は「過ぎ去った命を懐かしむ」ことであると思っている。ヒロシの回想をみても自分が生きた時代への懐かしさというよりも自分が生きてたきた命の歴史それ自体を振り返る印象が強い。
人生の中盤を越えた(要するに中年です)人間なら多く感じているだろうが、私も徐々にではあるがしかし確実に強まってくる「命の短さ」「人間のはかなさ」つまりは「命への愛着」というか、「自分から息子へ伝わっていく命」というか、とにかく若い時代には頭ではわかっていても現実味がなかった感覚、そこにこの映画は訴えかけてくる。
悪役(とは言い切れないが)も最後までしっかり悪役を演じており、他のクレシン映画みたいにおチャラけすぎて緊張感をぶち壊していない。最後もしんちゃんのギャグを織りまぜながら感動的に締めくくっている。
それにしてもクレシン映画に10点つけるとは思わなかった…。やられた。
ただ……お子さまには理解できないんじゃないかこれ(笑)。
まぁいい。子供はいつか、大人になる。 |
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