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プラットフォーム - 高橋幸二さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 プラットフォーム
レビュワー 高橋幸二さん
点数 7点
投稿日時 2025-05-08 22:43:42
変更日時 2025-05-08 22:43:42
レビュー内容
 テーブルに乗せられた食事が降りて来るアイデアは、2008年のカナダ映画「華麗なる晩餐」ですでに使われている。
 最下層が333階層で、1階層の住人が2人だと、総人口は666で、ヨハネ黙示録に記載された獣の数字となる。
 「穴」が階層社会を暗喩しており、飢餓があるのは食糧が適切に分配されないから、上層階と下層階が連帯できないのは物理的な隔たりがあるのと、エゴイズムがあるからというメタファーは、露骨すぎて暗喩になっていない。

 主人公は最後には食糧分配のため、武器を持ってプラットフォームに乗り下層階に降りるが、皆を救うために始めたはずなのに、従わない人々を殺すことになる。現実世界では平等な分配を約束する共産主義の政府が成立したが、実はそれ自体が途方もない暴力だったわけで、全くシャレにならない。なおプラットフォームに乗れば最下層に行き、その後最上階まで上がれるではないかという意見もあるが、100階層以下は食料がないため、一人で降りるのは各階層ごとに命がけとなる。囚人が収容されるのは1階層以下で、0階層は従業員用なので、囚人が上がればどうなるかはわからない。

 1階層に住人は2人、子供はいないはずなのに、333階層に東洋人の少女が一人いた。最下層で少女はどうやって生き残ったのだろう。下層階では生きるため少女を殺して食っても不思議ではないのに、主人公は命がけで守り通したパンナコッタを少女に与える。食べ物を取り置くと懲罰される決まりで、主人公は猛暑か極寒で殺されることを覚悟したが、なぜか何も起きない。主人公はキリストを思わせる風貌をしている。キリストは神でありながら貧しい家に生まれ落ち、人々を救うため犠牲になったが、主人公は6階層から最下層に自ら下り、犠牲を覚悟でパンナコッタを施した。
 主人公は下層階で食料を奪おうとする者と格闘し、深手を負っていて、ここではすでに死んで幻影を見ているのだろう。プラットフォームは生存者のいない階層には停止しない決まりなのに、一番下だから停止したと考えれば辻褄は合う。さらにもう一つ下の階層があるように見え、そこで停止するが、そこには死んだはずのトリマガシがいて、主人公はともにあるはずのない出口に向かう。最下層に行けば出口に行けるなら皆がそうするので、これは現実でないとわかる。主人公は、この構造が下層民と子供を虐げており、無垢な子供を上に送り届けることで否定のメッセージとした、と言いたいのだろう。設定がおもしろいだけに、映画を創る前にオチくらい考えておけと私は言いたい。
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投稿日付邦題コメント平均点
2025-05-08プラットフォーム75.77点
2024-08-04市子107.28点
2023-10-10アイ・アム・マザー97.00点
2023-04-08パッセンジャーズ65.93点
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2021-02-04暗黒女子75.13点
2020-05-11白い肌の異常な夜75.95点
2020-05-04ルドルフとイッパイアッテナ97.00点
2020-02-13星を追う子ども44.48点
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