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タイトル名 |
センチュリアン |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2023-07-04 23:05:23 |
変更日時 |
2023-07-04 23:05:23 |
レビュー内容 |
ニューシネマ全盛時代に撮られたいかにもニューシネマらしさに満ちた警察ストーリーです。こういう警察の日常を淡々と描くドラマは、タイトルは忘れたがTVシリーズになって日本でも放映されていましたが、70年代中期のアメリカではこういう風味が好まれていたみたいで、同時期の日本では『太陽にほえろ』や『西部警察』のような単純かつド派手な警察ドラマが流行っていたのとは対照的ですね。 “何も起こらない”というわけではなく、ジョージ・C・スコットの自殺やラストでのステイシー・キーチの殉職など、いかにもニューシネマ的な悲劇はきっちりと盛り込まれています。毎回癖のあるキャラを演じてきたスコットですけど、私が観てきた中ではもっとも人間味があふれる善良なキャラでした。彼が独自の行動指針としている“キルビンスキー法”からすると理想主義者の様でもありますが、実際に警官として社会に接するにあたっては柔軟かつ人情味を持っていて、こんな善人を説得力を持って演じれるのも名優の力量でしょう。妻子に逃げられて酒に溺れてぐれてゆくステイシー・キーチの姿には心が痛みますけど、「他人は守れても家庭が守れない」なんて彼を責める女房には1ミリも感情移入できなかったです。監督はリチャード・フライシャーで、この人のフィルモグラフィを見ると『トラ・トラ・トラ』『ミクロの決死圏』などの大作から『マンディンゴ』のような問題作まで幅広く撮っていたから、このような小品は余裕でこなしてしまえる職人芸の持ち主だったと思います。 |
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