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タイトル名 |
ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2024-09-15 22:49:59 |
変更日時 |
2024-09-16 00:47:02 |
レビュー内容 |
正直なところ、ジョニー・キャッシュやジューン・カーターはかろうじて名前を聞いたことあるぐらい、ジェリー・リー・ルイスに至ってはこの映画で初めて知った程度の予備知識でした。この当時のヒットソングは、カントリーミュージックなのかロカビリーなのか区別しにくい感じのサウンドで、自分がイメージするロックンロールよりも泥臭い感じがします。そんな50年代からのレジェンド・シンガーであるジョニー・キャッシュとジューン・カーターの伝記映画なのですが、ホアキン・フェニックスとリース・ウィザースプーンという癖が強いキャスティングですのでけっこう胃もたれがするような映画になったかなと思います。なんせあのホアキン・フェニックスですから、観ていていつキレだすかドキドキしてしまいますが、かえってこれが妻との不和や薬物中毒に溺れるエンターテイナーとしての迫真の演技につながっています。リース・ウィザースプーンはその癖のある顔つきで日本では人気があるとは言い難いし自分にも苦手な女優の一人ですが、オスカーをゲットするのは納得の熱演です。そして演技以上にすごかったのは二人の歌唱力で、これがプロ歌手の吹き替えじゃないってのは信じられないぐらいです。ほんとにハリウッド俳優たちは、音楽については芸達者な人が多いですね。ホアキンが演じるキャッシュは幼いころに兄を事故死で失ったトラウマや父親との不和など根性がねじ曲がりそうな要素があることは判りますけど、あまりに自己中的な言動が目立ってとても感情移入できるキャラではなかったですね。実話なのかは知らいないけど、コンサート中に途中で歌唱を中断して「結婚を承諾してくれなければ、もう歌わない」とジューン・カーターにプロポーズするなんて、いやこれはプロとしてはやっちゃいけないことでしょ(笑)。劇中にも登場するキャッシュの最初の妻との娘は、自分の母親の描き方が酷いと激怒したそうですが、たしかに前妻ヴィヴィアンは夫に理解のない嫌な女という観方になってしまう撮り方でした。関係者が存命なうちに製作する伝記映画には、いろいろと厄介なことが付きまといますね。 |
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