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タイトル名 |
サンシャイン 2057 |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2024-12-10 22:06:28 |
変更日時 |
2024-12-10 22:10:07 |
レビュー内容 |
この映画では2050年には太陽がなぜか活動が弱まって地球が凍り付くという設定だが、太陽という恒星は水素がヘリウムに変換される核融合によってエネルギーを放出しており、一説ではその燃料が枯渇する63億年後には赤色巨星となって消滅するそうです。その燃料となる水素の減少によって逆に太陽からの放射エネルギーは徐々に増大していて、5億年後には地球は焼け焦げた惑星と化して生命が存在できない環境となるだろうとの予測もあります。まあ今からたった50年後に太陽が活動縮小するなんてことはあり得ないことですが、そこはSFだから全然ありですね。 ほぼ宇宙船内だけでストーリーは展開し登場人物はモンスターと化すマーク・ストロングを含めても9人こっきり、イカロス2号の乗員たちは8人中3人が東洋系でわれらが真田広之が船長!でも序盤であっさり退場しちゃったのは残念でした。イカロス2号の外観や船内はよく造りこまれていると思いますが、“地球の核物質をすべて使って製作したマンハッタン島ぐらいの大きさの核爆弾”というのが宇宙船のどこに装着されているのか不明。ラストで太陽に打ち込まれるその爆弾はどう見ても普通(?)の大きさで、ちょっと大風呂敷を広げ過ぎじゃない(笑)。本作はダニー・ボイルと脚本アレックス・ガーランドの最後のコンビ作だけど、その後監督業に進出したガーランド作品の暴走ぶりを考えると、ボイルは彼を良くコントロールしていたなと思います。でもこれだけは言っておきたいんですよね、この映画は中盤以降の展開はその10年前に撮られた伝説の怪作SF『イベント・ホライズン』とそっくりなんですよ。なぜかモンスターと化したイカロス1号の船長マーク・ストロングの登場は、ここに由来していたとしか思えません。とは言え『イベント・ホライズン』ほどのモンスター風味は薄く、ガーランド脚本特有の哲学趣味というか臭みが濃厚だったのも確かですけどね。 けっきょく登場人物は全員死んでしまったが、人類は救われる(のかな?)という結末は陳腐ではあるけどラストカットはダニー・ボイルらしさがあって良かったと思います。彼は本作でよほど苦労したらしく「もうSFは二度と撮らない」と語ったそうですが、それは確かに正解だと思いますよ(笑)。 |
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