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タイトル名 |
新幹線大爆破(1975) |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2016-02-16 00:57:48 |
変更日時 |
2016-02-16 00:57:48 |
レビュー内容 |
昭和の社会派犯罪映画としては屈指の作品なんでしょうね。時代が時代だけにやけに全共闘の価値観みたいなものが鼻につくところは、今の感覚で行くと暑苦しくて堪らんものがあります。とくに高倉健一味の人間関係はちょっとクサくてヤリ過ぎ感は否めないところです。主犯の沖田という男はもう健さんそのものというキャラ設定で、事業に失敗して妻子に逃げられたからと言って健さんがこんな犯罪に走るかよ、と思ってしまいます。対する警察サイドも重厚な布陣ですけど、冷静に考えると捜査の進め方はなんか杜撰で無能さが目立ちます。空港で張るにしても、ふつう沖田の顔写真ぐらい持ってくるでしょう、元嫁と子供の面通しに頼るなんて、さすがにあり得ない話です。ふつうに考えても、爆弾が解除されてないのに身代金の受け渡し現場で逮捕しようとしまうかね?ここら辺も警察権力は横暴で無能だという団塊世代的な価値観なんでしょうね。この脚本では、警察は威信のためには新幹線の乗客の安全よりも、犯人確保を優先させる組織だと言いたかったみたいです。 そして最大のドラマが爆弾が無力化される前に二次災害を防ぐために新幹線を停車させようとするところで、これは9.11のときみたいなハイジャックされた旅客機を撃墜する命令を下す決断みたいなものです。ここでも国鉄の局長を非情の鬼官僚みたいに描いていますが、いくら国有鉄道だったとはいえこれはおかしい。その指令を下すのは政府じゃなきゃおかしいし、責任を負わねばならないのは当然総理大臣のはずです。劇中では官房長官が国鉄に決断させるような展開でしたが、いくらなんでもそれは酷というものですよ。事前に脚本を全部読んだのかは知りませんが、これじゃあ国鉄全面非協力という対応だったのは当然でしょう。 |
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