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タイトル名 |
トータル・リコール(2012) |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
3点 |
投稿日時 |
2018-02-16 00:42:05 |
変更日時 |
2018-02-16 16:18:02 |
レビュー内容 |
ヴァーホーヴェンのオリジナル版がなぜ今でもカルト的な人気を保っているのか、考えてみてください。フランケンシュタインみたいな大男がど下手な演技で地球と火星をまたにかける大活劇を見せてくれるのに、あのラスト・カットが象徴する「実はみんなシュワちゃんの妄想だったんじゃないか」と観る者の胸をざわつかせる不思議な世界感。こんな大事なファクターをばっさりと切り捨ててリメイクを製作したんだから、ただの平凡なSFアクション映画となってしまったのは当然の帰結でしょう。「リメイクなんだからオリジナリティがないのは当たり前」と製作者に開き直られても困りますが、でも、これほど引用というかパクりが多い映画も珍しいと思います。『ブレードランナー』から始まっていちいち挙げたらきりがないけど、地球と火星のお話しだったのをロンドンと豪州に置き換えたというスケールダウン感を補うために地球を突き抜けるトンネルでつなぐという奇想天外なアイデアも、『ザ・セル』の応用パクりなんじゃないの?しかし映像的にはかなり見ごたえがあるシーンではありました。でもその車輌(?)の外に出れちゃうのはなんかヘンです。あのトンネル内部には酸素があるんでしょうか。ふとそこで思い当たったんですけど、リオ五輪閉会式で話題になったマリオが東京からリオまで行った土管って、ひょっとして本作がアイデアのタネだったんじゃないのかな。プランナーが電通の人だからあり得る話だと思います。 この映画で特にバッサリと斬り捨てられたのは、オリジナルが持っていたあのグロ要素です。マサイアスなんてあっさり殺されるキャラなのは承知ですけど、本当にただのおっさんでしたからがっかりです。ビル・ナイのことですからなんかやってくれるのかなと期待してたんですけどね。でも、コリン・ファレルがロンドンに侵入するところで、ゲートの前にいるおばさんがオリジナル版のおばちゃん仮面とそっくりだったのがクスリとさせられました。あんな下らない仕掛けをストーリーとは関係なく仕込んでも効果が薄いんですよね、この監督のセンスのなさが偲ばれます。 |
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