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タイトル名 |
トランス・ワールド |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2020-07-09 19:57:22 |
変更日時 |
2020-07-09 19:57:22 |
レビュー内容 |
予備知識は最低限で鑑賞。このプロットだけからすると、ルイス・ブニュエルの傑作『皆殺しの天使』のパクりかなと思っていたら、プラス『バタフライ・エフェクト』という凝った構成の拾い物でした。 最初三十分は正直いって退屈な展開。でも三人が認識していた自分の現在いる場所がバラバラだと判ったあたりから、俄然面白くなってきます。そして明らかになってくる驚愕の三人の関係性、ここまで来ると正直「そんなのありか?」と唸ってしまいました。なんせ低予算を逆手にとって説明や謎明かしはほとんどなしで通し、これぞまさに神様の悪戯としか思えないような展開です。この三人のキャスティングがまた意味深です。イーストウッドの息子にサム・ウォーターストンの娘、それにピル・パクストンの(遠い)親戚というひねり具合、これは劇中の三人の関係と作品のテーマを考えると、けっこう粋な遊びごごろを感じてしまいます。スコット・イーストウッドはまさに若き日のクリントそのままというルックスで、感慨深いものがありました。 ラストの展開はハリウッドお得意の“未来は変えられる”といううんざりさせられるテーゼの登場ですが、登場キャラがどんどん消滅するところはちょっと新鮮かなとも思います。でもあの人だけが生き残ったことでハッピーエンドになるという理屈は、ちょっと理解するのが難しいところです。ラストの空爆シーンのCGのショボさはやっぱ低予算だよなと再確認ですが、作品の評価を落とす要素ではないと思います。冒頭とラストに登場するお店のオーナー、なんか謎めいたキャラで印象に残りますね。それにしても、あの金庫の中には何が入っていたんだろうか? |
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