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タイトル名 |
T-34 レジェンド・オブ・ウォー |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2020-11-10 21:57:09 |
変更日時 |
2020-11-10 21:57:09 |
レビュー内容 |
知る人ぞ知るカルト映画『鬼戦車T-34』のリメイクという感じなんですが、監督曰く『鬼戦車T-34』の原作戯曲がモチーフにした戦中の実話(?)をもとに構想したのでリメイクだとは思っていないとのこと。たしかに『鬼戦車T-34』は不思議な感じがするファンタジーっぽい要素があるのですけど、本作はガチガチの戦車バトルの王道エンタティメントで、“戦争映画”というよりも“戦車映画”と呼ぶのが正しいと思います。 今まであまり良いイメージを持っていなかったロシア製戦争映画もついにここまでのレベルにまで達したかというのが正直な感想で、『フューリー』なんか目じゃない今世紀NO.1の戦車映画だと思います。ストーリー的にはかなり荒唐無稽なのは全然OKなんですけど、五月蠅く言えば細かい粗が無いわけでもない。41年には陸軍大尉だったイエーガーが44年にはSS所属になっている、まあこれは実際にそういう事例があったそうなので(逆パターンは聞いたことがない)目をつぶるにしても、イヴシュキンが7回も脱走を試みたってのはどうでしょうか。ソ連の捕虜なら7回どころか1回脱走しただけで間違いなしで即射殺、そこは英米兵の捕虜とは大違いで、だいいちソ連の捕虜が三年近くも生き延びたってこと自体がレアケースというのが現実だったみたいです。イヴシュキンに与えられたT-34の車内に砲弾が残っていたという設定も、そこまでドイツ軍って間抜け?と笑うしかないです。『鬼戦車T-34』ではもちろん砲弾も銃弾もなく、ただ走り回るだけでしたからね。まあそんな細かいところを吹っ飛ばしてしまうのがイヴシュキンvsイエーガーの漢対漢のガチ戦車決闘、ラストの橋上の一騎打ちはなんか『戦略大作戦』を思い出してしまいました。実物のT-34が動き回るさまは迫力満点だが、狭苦しい車内での描写も小型カメラを駆使してきっちり描いています。そして砲弾が掠るときのまるで釣り鐘の中に閉じ込められたような衝撃、これも『Uボート』の爆雷攻撃以来の音響効果です。ドイツ戦車もレプリカ+CGですが拘りが凄くて実写にしか見えない、パンサー戦車には末期ドイツ戦車特有のコーティングもきっちり再現されています。本当に最近のロシア映画のCG技術の進歩はまさにおそロシアですな。 ラストも大抵の独ソ戦映画と異なり爽やかなハッピーエンドなのもスカッとして心地良かったと思います。本作には完全版とDC版というヴァージョンもあるそうなので、機会があれば是非観ておきたいです。 |
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