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タイトル名 |
透明人間(2020) |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2023-11-03 22:32:44 |
変更日時 |
2023-11-03 22:32:44 |
レビュー内容 |
“ドラキュラ伯爵”“フランケンシュタインの怪物”“狼男”、この三つがユニバーサルが産み出した定番のホラーモンスターですが、彼らよりちょっと影が薄いのがこの透明人間。そりゃあただ透明になっただけで本質は普通の人間ですし、H・G・ウエルズの原作があるが映画化されると三大モンスターとは違ってそれぞれ独自のキャラ設定になっているし、どの作品も製作当時の時代が反映されたリブート的なストーリーになっている。いわば普通の人間が透明になってどんな悪さをしでかすかが透明人間映画のキモなんですが、この映画ではなんと透明ストーカーになっちゃうんですね。ソシオパスの天才科学者が透明スーツを開発して逃げ出した恋人に付きまとうわけですが、そんな世紀の大発明、もっと違う使い道があるだろう(笑)。それでも恋人の就職面接を邪魔したり妹に成りすましメールを送って仲たがいさせたり、いかにもストーカー気質野郎がやりそうなことで、あまりに陰湿でゾッとさせられます。ひとつ前のヴァーホーヴェン版の『インビジブル』がCG多用のやり過ぎぐらいのグロさだったけど、低予算を逆手にとったような誰もいない空間を見せるパン撮影が多用されていて、ヒロインの心理的な動揺も同時に表現出来て上手いなと思いました。監督があの『ソウ』シリーズの産みの親であるリー・ワネルですから、極力CGに頼らず緻密な計算に基づきながらも手造り感もある映像には工夫が見られます。ラストに向けての文字通りのサプライズは天才科学者の兄弟関係だったと言えますが、あの展開にはやっぱ腑に落ちないところがありますよね。でもいちばん私が震えたのは物語が進行するにつれてどんどん険しくなってくるヒロインの表情で、ラストのカットなんてもう鬼の微笑みでした。 ヒロインが宿した科学者の子種、この後いったい彼女はどうするんだろうか、とふと考えると怖いものがあります… |
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