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タイトル名 |
大怪獣のあとしまつ |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2023-05-07 22:45:02 |
変更日時 |
2023-05-07 22:45:02 |
レビュー内容 |
ぶっちゃけますと、私は怪獣映画もおバカ映画も大好物です。でも近年まれにみる罵倒と酷評にまみれてしまった本作、まあ覚悟を決めて観ましたよ。 “死んでしまった怪獣の死骸はどう処理をするのが正解なのか?”という視点は、古今東西のモンスター映画にはついぞなかったもので、このアイデアを基に映画を一本撮ったということはそれはそれで快挙だと言えるでしょう。とくに前半は『シン・ゴジラ』を彷彿させるような真面目にリアリティを追及しているようにも感じます。怪獣の出現自体がリアルな世界での新型コロナの暗喩なのかとか、怪獣の腐敗ガスが爆発的に噴出する絵面は福島原発事故の水素爆発を想起させようとしているのかとか勘ぐりましたが、どうもそれは買いかぶりすぎだったようです。それは内閣の対応ぶりと西田敏行総理を始めとする大臣たちのキャラが、観ていて寒くなるほどの低レベルなギャグを繰り広げてくれるのが決定的でした。つまり山田涼介や土屋太鳳が見せるシリアスな芝居と、ムダに豪華なキャスティングの内閣の面々が見せてくれるギャグ芝居との乖離があまりに大きいわけです。たしかに『シン・ゴジラ』でも緊張感を緩める息抜きのような芝居もありましたが、庵野秀明にこの監督ののセンスは足元にも及ばないんですからどうしようもない。いっそのことこの小劇場的なセンスのギャグで全体を統一しちゃえば良かったのかというと、「それならこんなに予算をかけて劇場映画にする必要なくね?」ということになるんでしょうね。 とは言ってもそこそこに愉しんで観ていた私ですけど、あのまったく意味が判らないラストにはさすがに呆れました。もし劇場で観ていたらそれこそ「金返せ!」と暴れたかもしれません。「せっかく良い食材が手に入ったのに、なんちゅう料理をしてくれたんじゃ!」というのが私の感想でございます。 |
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