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タイトル名 |
オーシャンと十一人の仲間 |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2024-05-03 22:01:39 |
変更日時 |
2024-05-03 22:01:39 |
レビュー内容 |
御存じ『オーシャンズ11』の元ネタ。フランク・シナトラと言えば「スターよりもマフィアになりたかった」と言ったという伝説もあるくらいで、そんなマフィアとズブズブだった彼じゃないと実現できなかったストーリーです。60年代のラスベガスは実質マフィアの直轄地みたいな場所だったそうで、そんな物騒なところのカジノが一斉に強奪されるなんて普通の映画人が撮ったらマフィアが黙っているわけがない、仲間内のシナトラ(襲われるカジノの一つサンズは実はシナトラが当時オーナー)のおふざけとして大目に見られたんじゃないかな。 ソダーバーグ版との比較で大きな違いと言えるのは、ダニー・オーシャンがプロの犯罪者ではなくて退役軍人でチョイ悪ぐらいの男、そのダニーがかつての戦友たちを集めてグループを組むというところでしょう。彼らは第82空挺師団の所属だったという設定ですが、エリート部隊だった空挺師団に黒人のサミー・デイビスJrがいたというのは、ちょっと不自然。まあシナトラ一家総動員のこの映画にサミー・デイビスJrが出ないわけはないし、黒人差別意識がなかったというシナトラらしいとも言えます。正直言って11人のキャラ分けがきちんとできていたとは言えず、半分ぐらいは名前どころかキャラさえ見分けがつかないぐらいです。こういうところはソダーバーグ版の方がはるかにしっかりしていたと思います。黒幕のエイキミ・タミロフはこの映画に必要なキャラだったのかは疑問だったし、アンジー・ディキソンらの女優陣も有機的な効果をストーリーに与えていなかったと思います。でも所々にシャレた展開もあるのは、ビリー・ワイルダーも脚本に参加していた功績なのかな。ラストの展開はやはりヘイズ・コード(犯罪は成功してはいけない)が生きていた時代だから仕方なかったかもしれないけど、ソダーバーグ版の様な爽快なカタルシスとは比べるべくもなかったかな。 まあ言ってしまえばシナトラの肩の力を抜いたおふざけ映画と見るしかないけど、そんな目くじら立てるほどのことはないかと思います。あと一目で彼の作と判るソウル・バス謹製のタイトルバックは、現代でも通じるようなシャレた逸品でした。 |
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