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タイトル名 |
グローリー/明日への行進 |
レビュワー |
だみおさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2016-05-18 00:54:55 |
変更日時 |
2016-05-18 00:54:55 |
レビュー内容 |
オプラ・ウィンフリーは『カラー・パープル』の時と同じく白人に拳を上げてしまう役で、ちょっと笑ってしまいました。行進に多くの白人が加わったのには驚きと感動でしたが、その時、行進は中止されました。あれ、行進を続けてたらどうなっていたんだろうなと、考えても分からないことが気になって仕方ありませんでした。マーティン・シーン演じる判事さんが正義の人で良かったです。ケネディ暗殺やベトナム戦争の話が出てくる背景で、黒人が権利を勝ち取ってからまだ歴史は浅いのだなと感じました。ティム・ロスは憎まれ役ですが、彼が頑固だったおかげで「国の問題」に昇華できたとも言えるし、彼は結局のところ黒人の人権獲得に貢献する結果を導いたような気がします。
日本に住む日本人じゃない人の中に困った人種がいることを思うと、人種差別の問題というのは、この映画のように単純に考えるわけにはいかないなと思ったりもしました。黒人の歴史は無理矢理アメリカに運ばれて奴隷にされた始まりがあるのですから、白人たちが黒人を忌み嫌うならアメリカは黒人をアフリカに帰って生活できるように補償すべきでしょうし、そうしない以上はアメリカで幸福に自由に暮らせる権利を与えて当然と思えます。けれど、日本を侵略するために入り込んでる日本国内の〇〇人のことを同じように考えるわけにはいかないです。
人種問題とか差別の問題って難しいなと思います。キング牧師は判事が正義の人だったから道が開けたけど、これが今の日本の裁判官みたいなのが相手だったらうまくいかなかった可能性もあると思います。行進に白人が参加したことも含めていろいろ考えたのですが、結局、人種だのなんだので人間の質を決めつけてしまうことがいけないのであって、大事なのはその人間が正しいことをしている人か悪いことをしている人かを見極めることなんだろうなと思いました。とくに言葉ではなく行動こそを見るべきかと。耳に心地よい嘘をつく人は一杯いますから。
この映画の中で暴力団以下の下衆どもだった警察官が何の罪も無い人間を平気で殺して普通に生活を続けられる社会はどう考えても病んでいます。今の日本、支配層に都合悪い有力者を痴漢冤罪で陥れたり、〇〇人ヤクザなどに殺させて(時には自殺に見せかけもし)不問にしちゃう警察がいるのだから、まだまだです。署内に閉じ込めて水も飲ませずトイレにも行かせず外部に電話することも許さないなんてことが未だにあるのだから、日本は決して健全な社会ではありません。
差別や闘争を嫌う人にありがちなのが「とにかくみんな仲良く」というお花畑思考ですが、悪い事には戦わないとダメだって思います。けれど「非暴力で平和主義な者」と「平気で人を殺し罪に問われない支配者」の闘いって結局非暴力側は殺される覚悟がいるんですね。現在の日本でも命を狙われる体験をしながら世の不正と戦っている人がいるのだから、この物語は「昔の出来事」で片付ける話ではないなと思いました。
キング牧師は道程で凶弾に撃たれる恐怖は無かったのだろうか? 史実として残るものがなければ事実として描けないでしょうが、キング牧師が死の恐怖とどのように闘ってきたのかが知りたいと思いました。 |
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