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タイトル名 |
父親たちの星条旗 |
レビュワー |
おーるさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2010-01-24 02:54:32 |
変更日時 |
2010-01-24 02:54:32 |
レビュー内容 |
戦争シーンは短くまとめられているが、リアルさが凄く、恐ろしさが伝わってくる。 特に穴ぐらに隠れた日本兵が静かにアメリカ兵を狙っている場面は怖い怖い。
フラッシュバックによる時間の行き来は、下手に取り入れるとただ話が複雑に感じてしまうだけなのだが、イーストウッドの手腕か、この映画ではそれが逆に凄く効果的な見せ方として生かされている。
表向きはヒーローとして、だが結局は政治家達にただのプロパガンダとして扱われる主役たち。 国のために真実を打ち明けられないまま、戦場の実際の悲惨さを知らないアメリカ国民にヒーローとしてもてはやされるほど、戦地に残してきたままの思いが重くのしかかってくる。 戦争が終わり時間が経っても、彼らは戦争という十字架を背負ったまま余生を過ごしていく。
戦時中より戦後を重点的に、そしてアメリカの裏側をきちんと描くことで、 今までの戦争映画とは違う角度から、戦争の悲痛さを伝えることに成功していると思った。
ただ、ドキュメンタリータッチなのでしょうがないのかもしれないが、各登場人物の描写が少し弱い気がする。 アイラ以外にはあまり感情移入出来なかった。感情移入出来ないためか、中盤少し間延びした感があった。
1枚の写真に隠された真実を知り、戦争の恐ろしさを再認識することが出来たという意味では貴重な映画だが、 単純に1本の映画として見応えがあったか、後々まで心に残る作品だったかを考えると、評価が難しい作品。
ただ、この映画を観た後と、観ずに「硫黄島からの手紙」を観るのとでは、「硫黄島~」の見応えが大分変わってくる。クリントの意図通り、2本セットで観るべき映画。
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