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渚のシンドバッド - BOWWOWさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 渚のシンドバッド
レビュワー BOWWOWさん
点数 10点
投稿日時 2009-08-03 22:43:33
変更日時 2011-01-29 01:41:47
レビュー内容
一見無駄の多い映画だ。物語を語る上でさして重要とは思えないささやかなシーンを、橋口亮輔監督は、けれどとても丁寧に描く。それは主人公3人以外の登場人物の描写、なかでもお調子者奸原くんと優等生清水さんの本筋とは無関係に描かれるシーンに特に顕著だ。落ちこんでいる無器用な清水さんにこれまた無器用な奸原くんが器用に披露するトンボ返り。学校の屋上でその脇役の二人が二人きりで見せるさりげなく心やさしいやりとり。その二つのシーンが主軸をさしおいて本編屈指の名場面になっていることからも分かるとおり、この映画の魅力はまさにその無駄さにある。さらに言えば、彼ら登場人物を延々とまるごと捉えようとする長回しや、描かれる人物の心情によりそうように二拍、三拍と長すぎる余韻をおいて切り替わる場面転換もまた、物語を語る上では冗長さやテンポの悪さを生じさせる無駄と言えるだろう。しかしながらそうした無駄の一つ一つが、そのくせなんとも魅力的なのが面白い。橋口監督にとっておそらくもっとも重要なのは、小気味よく物語を語ることではなく、彼ら一人一人の繊細な感情をじっくりとそしてしっかりと捉え、それを大切に大切に積みかさねていくことなのだろう。そしてそんな彼の、無駄を恐れず主役も脇役も等しく愛をもって見つめるそのまなざしこそが、この青春群像劇を心にふれる傑作たらしめている。まさに無駄ばかりの映画だ。けれどその無駄には一つのこらず愛がこめられている。ラストの自転車に乗って走り去る奸原くんの姿は、そんな無駄の上に咲くべくして咲いた大輪の花だ。その花は力強く、美しく、胸を打たれずにはいられない。無駄だらけのこの映画に本当は無駄など一つもありはしないのだ。
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投稿日付邦題コメント平均点
2019-02-25バーニング 劇場版107.00点
2018-08-12リバーズ・エッジ85.33点
2013-05-25青春神話108.33点
2013-05-02エドワード・ヤンの恋愛時代1010.00点
2013-04-28恋恋風塵97.00点
2013-03-09楽日106.00点
2012-01-24海角七号/君想う、国境の南75.23点
2011-04-02エターナル・サンシャイン96.60点
2011-01-18ソーシャル・ネットワーク76.54点
2011-01-02ファイト・クラブ97.38点
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