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タイトル名 |
運動靴と赤い金魚 |
レビュワー |
keijiさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2010-05-29 08:41:29 |
変更日時 |
2010-05-29 08:45:45 |
レビュー内容 |
主人公の家族は裕福ではないけれども、ことさらに貧困を強調するわけではなく、こどもたちが家事を手伝う様子や、街中のいろいろな職業の人々の姿から、生活感は濃厚に匂い立ってくる。この兄妹の駆け回る町の路地もまたすっばらしい。キアロスタミの「友だちのうちはどこ?」を思い出す。そんな中で、お父さんが庭師の仕事を探しに行く都市部の高級住宅地とか、先生にテストで100点穫ったごほうびにもらう金色のボールペンとか、子供の視点からの「まばゆいもの」へのまなざしが際立つ。自分の小さかった頃の「目」を思い出してしまう。目にまばゆいもの、いろいろあったなあ。妹にとっては、ほかの女の子の履いている靴も、みんなまばゆい。 ラストに、それまでずっと子供たちに付き添っていたカメラが宙に上がり、金魚のいる丸い池のま上からその池に足を浸すおにいちゃんの姿を写し、さらにカメラは池の中に潜っておにいちゃんの足と金魚たちを写すとき、この作品はみごとにすてきなファンタジーにずれ込んで行く。ちょっとやられてしまったなあ、という感じ。 おにいちゃんの半泣きの顔、妹の微笑んだ顔がすばらしくって、この顔で配役したんだろうに決まっている。
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